春や昔の夢のやう

小林秀雄を学ぶ池田塾に通う、歌と物語がすきな塾生の雑感です。

池田塾

「思い出す」こと

「思い出す」という言葉を小林秀雄は度々使う。 たとえば本居宣長の奥墓(おくつき)。本居宣長にはお墓が二つある。家族のお墓と、自分だけのお墓とされる奥墓。奥墓は山の奥にひっそりとあって、シンプルなお墓と、自筆の墓標と、生前大好きだった桜の木が…

文化と栽培と運命について

昨日の新潮講座「小林秀雄 日々の言葉」は、私のなかで記念碑的な会となった。 いちばん印象的だったことを書きのこしてみたい。 それは[culture]の話だ。 cultureには、「栽培」という意味がある。[culture]を、「文化」と訳すことで、その「栽培」の意味あ…

いろいろな神様たち

近頃、出版社の方々とお話する機会が増えているのですが、 昨日の講座の懇親会で、編集部の方にいろいろお話をおうかがいしていたら、僕たちの先輩には神様がいっぱいいる、というお話になった。 小林秀雄の時代には、志賀直哉、川端康成、三島由紀夫など、…

普賢象

わたしたちが池田塾に通う山の上の家に、八重桜が咲きました。 普賢象というそうですが、この桜は、めしべの形が、普賢仏の乗る象のように見えることから、そう名付けられているそうです。生前、小林秀雄はこの桜を大変めでられていたそうで、その桜が見事に…